【年齢】
10代学生
【原因】
部活動でのオーバートレーニング
【症状】
全体的に膝の周りが腫れ、運動時や膝立ちで直接膝頭をついた時に激痛が走る。熱を持ち歩いていても痛い状態が続く。特に膝関節の屈伸時は強い痛みを伴う。
【画像診断の所見】
腫脹と熱感が確認された為、関節内水腫も疑ったがエコー(画像診断)では関節内水腫は確認できず。ただ、健側に比べ患側の大腿膝蓋関節面に炎症がはっきりと確認できる。
【治療】
大腿四頭頭筋の緊張緩和にSSP治療器、大腿膝蓋関節面の炎症に対して超音波治療、腫脹と熱感に対してアイシング。健側に比べ腫脹が著明な為、膝関節を包帯にて圧迫固定を施す。
【予後】
2〜3回の超音波治療で腫脹と歩行痛は軽減。約1〜2週間で患側の腫脹は消失。その後膝関節の可動域改善リハビリを経て部活復帰。
【年齢】
10代学生
【原因】
部活中の突き指
【症状】
発赤・疼痛・腫脹・熱感・運動障害
【画像診断の所見】
健側に比べ腫脹と運動痛が著しく、母指の関節運動は不可。
【治療】
画像診断機で確認したとこと末節骨に剥離骨折のような所見を確認したので提携している整形外科で精検したところ骨折と診断。約2週間の固定と超音波を行う。
【予後】
骨癒合促進の目的で超音波治療を行い、固定除去後から母指の関節可動域リハビリを開始。
レントゲンで骨癒合を確認し約 4週後から軽い運動を再開する。
【年齢】
30代男性
【原因】
運動中に足首を捻って受傷
【症状】
外くるぶし(外果)に著しい腫れと内出血を確認。歩行時に激痛
【画像診断の所見】
画像診断では腓骨下端部に明らかな骨折は認められず。健側に比べ患側の前距腓靭帯のアライメントの乱れを確認。
【治療】
足関節を整復後、腫脹と疼痛緩和の目的で超音波治療を行い、関節の安定を図る為テーピングと包帯固定を行う。
炎症が消失したのを確認し温熱療法で組織再生の促進を図り、約2週間後から軽い関節可動域運動を開始する。
【予後】
足関節捻挫は中途半端に治療を終えてしまうと癖になり易いので、完治することが一番の怪我の再発になる。ゲガの状態にもよるが全治3~4週が目安。
【年齢】
50代男性
【原因】
自転車転倒
【症状】
膝関節腫脹、発赤、熱感、マックマレーテスト陽性、ロッキング。足を引きずるような歩き方。
【画像診断の所見】
関節内出血と周囲組織の炎症を認め、半月板の一部に断裂したような痕跡を確認する。
【治療】
健側と比較し著明な腫脹や熱感、屈伸展時にはロッキングも確認出来た為、炎症に対しては超音波とアイシングを行った後に膝関節の固定を施す。症状が強い為、後日提携整形外科で再検査。
【予後】
整形外科での検査は手術適応外であった為、当院で超音波、低周波、冷罨法、その後患部の状態を確認しながら関節可動域訓練を開始。低下した筋力に対しアイソメトリック運動や高周波を併用し関節周囲の筋力強化や日常生活動作への復帰を図る。完治まで約4~8週が目安。
【年齢】
60代男性
【原因】
自宅で母趾を強打
【症状】
強打した母趾部分の内出血、発赤、熱感が著明。母趾軸圧痛が強く、母趾関節屈伸展が困難。
【画像診断の所見】
健側と比較し、患部の母趾基節骨末端部に数ミリの骨片のようなものを確認。
【治療】
超音波・アイシングで腫脹の軽減を図り、テーピングで第 2趾とバディ固定をした後に、シーネ固定で関節の安静保持を図る。
【予後】
約1週間毎にエコーによる画像診断を行い骨折部の状態を確認。受傷 2週間ほど経過し、仮骨形成が確認できれば関節拘縮を防ぐ関節可動域運動を始める。日常生活に支障がなくなるまでは約4週間の目安。
【年齢】
70代女性
【原因】
日常生活での過度な負担による
【症状】
親指根元の激痛と腫れ。ドアノブやペットボトルの蓋も開けられないほどの痛み。
【画像診断の所見】
骨の異常は認められないものの、母指の腱や周囲の組織が腫れ上がっているのを確認できる。
【治療】
使わないことが一番の治療だが、そうはいかないのが腱鞘炎なので、腫れ上がった患部には超音波とアイシングを施し、母指関節の動きを最小限に抑える目的としてテーピング及び包帯固定を施す。
【予後】
患部をよく冷やし組織の炎症と腫れを取り除くことで痛みは軽減。使用頻度の多い親指はその筋肉自体が硬くなってしまい、その結果が腱鞘炎へ移行するので、前腕のストレッチやマッサージを入念に行う。手を使わなければ約1~2週間程度で症状は改善する。
【年齢】
40代男性
【原因】
ボルダリング(クライミング競技)で壁を強く掴み、体を引き上げた際に負傷。
【症状】
手関節のくるぶし(尺骨)周囲が熱を持って赤く腫れ上がる。痛みで手がつけず、重いものを持つ際にも激痛が走る。
【画像診断の所見】
尺骨形状突起に骨折などの初見は確認できないものの、靭帯や腱周囲に炎症を確認。健側と患側で手首の集計差を測ってみると明らかに受傷した手首の方が大きく腫れているのがわかる。
【治療】
熱を持ち大きく腫れ上がっている患部に超音波とアイシングを行い、筋肉の緊張が強い前腕にはSSPなどの電気治療を行う。痛みが強い手関節には運動可動域制限を目的でテーピングと包帯固定で安静保持を図る。
【予後】
前腕の筋肉の柔軟性が低下した状態で練習に復帰すると再発の(クセになる)恐れがあるので、再発防止の目的で前腕のストレッチやマッサージを施す。スポーツを続けながらの完治を目指すのであれば約2~6週間程度、並行してリハビリ通院が必須。