足関節に関する症状
・足関節捻挫
・腓骨骨折
・踵骨骨折(かかとの痛み)
・足底筋膜炎
・足甲の打撲
・外反母趾
・扁平足痛
・第五中足骨骨折
・モートン病
足関節捻挫とは、足首の関節を支えている靭帯や関節包に異常な力が働いて断裂、損傷することをいいます。足関節捻挫は、スポーツ活動中や日常生活中の歩行時に、足関節を内側あるいは外側にひねることで起こります。 足関節捻挫のほとんどは内側へひねって受傷するため、外くるぶしの靭帯に損傷が起こることが多く、くるぶし周辺が腫れて押すと痛い場合には、剥離骨折や捻挫の可能性があります。重症度によりいくつか種類があり、治療法や治癒までの期間も変わります。
<足関節捻挫が起こるケース>
・スポーツ活動中ジャンプの着地時
・スポーツ活動中相手との接触
・走行中の方向転換時
・転倒して足を捻る
・階段の登り降りで足を踏み外す
・子供が遊んでいる時くぼみに足を取られる
・床で滑って足を捻る
・スポーツ活動中ヒトの足の上に乗り捻る
<足関節捻挫の症状>
・くるぶしの外側に腫れや痛み
・安静にしていても痛む
・動かすと痛む
・外くるぶし周辺を押したときに痛む
・損傷部位に熱感
・内出血
<当院での治療>
・安静
・冷却
・圧迫
・挙上
・ギプス固定
下腿には、内側に存在する太い脛骨と、外側に位置する細い腓骨の2本の骨があり、両者をあわせて下腿骨と呼びます。その内側にある細い骨、腓骨に交通事故やスポーツにより強い外力が加わることにより発症します。 すねの部分は血流が悪く、皮膚と骨の間の皮下組織が少ないため、骨折を起こすと骨の治癒過程がうまくいかないことがあり、骨折を起こした骨が外表に突出する開放骨折となりやすく、感染を合併するリスクも高いです。これらの特徴から、治療が難しい骨折のひとつです。 交通外傷では強い外力が加わるため、いくつもの骨片に粉砕されることも少なくありません。また、開放骨折を起こすこともあります。 スポーツではスキーによる転倒、サッカーや野球などでの他者への衝突などが原因となります。交通外傷によって加わる外的エネルギーと比べると、そこまで強いものでありません。そのため骨折線の入り方も、交通外傷でみるような骨折と比べると複雑なものとはなりにくいです。 治療方法として保存的療法がとられることもあれば、手術が行われることもあります。
<腓骨骨折が起こるケース>
・交通外傷
・スキーによる転倒
・スポーツ活動中の他者への衝突
<腓骨骨折の症>
・発症直後の突然の痛み
・歩行ができなくなる
・腫れ
・内出血
・足が短く見える
・曲がって変形して見える
・痺れ
<当院での治療>
・牽引
・ギプス
・リハビリ
踵骨とは、かかとを形成している足関節に連なる足根骨のなかでも最も大きな骨です。交通事故や高い位置からの転落、階段を数段踏み外したときなどに、踵に大きな外力が加わり、骨折すことを踵骨骨折といいます。踵骨骨折すると隣の骨とのかみ合わせがずれたり、そばを通る神経や腱を押したりして、痛みやしびれが出ます。強い痛みにより踵に体重をかける事ができなくなります。
早期に適切な治療を受けなければ歩行困難や、坂道や凸凹道の歩行が困難、長時間の立位が困難なことや高所での作業が不可能など後遺症が残ってしまうことがあります。スポーツ活動中に繰り返し負荷がかかることでも踵骨が疲労骨折を起こすこともあります。また、踵骨とアキレス腱は連なっているため、アキレス腱が急に引っ張られることにより、踵骨に剥離骨折が生じることがあります。
<踵骨骨折が起こるケース>
・高い位置からの転落時にかかとを打撲する
・交通事故や階段を踏み外したとき
・スポーツ活動中に踵に繰り返し負荷がかかる
<踵骨骨折の症状>
・痛み
・腫れ
・かかとを押したときに痛み
・足首を動かしたときの痛み
・内出血
・体重がかけられない
・歩けない
<当院での治療>
・安静
・冷却
・圧迫
・挙上
・ギプス固定
体重を分散する目的で土踏まずを高めに盛り上げた中敷きを作成することもあります。
足底筋膜炎とは、足の指の付け根から踵まで足の裏に膜のように張っている腱組織・足底筋膜に炎症が生じ、小さな断裂を起こして痛みをもたらす病気です。歩いたり走ったりすると、 踵に激しい痛みが生じる、朝起きて足に体重をかけた時に痛み生じる。原因は歩行やランニング、ジャンプスポーツで酷使したり、体重増加や老化、長時間の立ち仕事が要因となる場合もあります。 慢性化すると足底筋膜の付け根にあるかかとの骨が、とげのように大きくなり、痛みが増すこともあります。
足底筋膜炎が起こるケース
・体重増加により踵への負担
・足首に柔軟性がらない
・悪い姿勢での歩行や運動
・足に合わない靴を履く
・長時間の立仕事
・ランニング
・扁平足
・老化によるアーチの低下
<足底筋膜炎の症状>
・朝起きて足に体重をかけた時に強く痛む
・歩き始めの一歩に足底が痛む
・かかとや土踏まずが痛い
・足の裏を押すと痛い場所がある
・歩く・走ると足の裏が痛くなる
<当院での治療>
・骨盤矯正
・アイシング
・足のアーチを補助する足底板を使用
・ストレッチ
・リハビリ
足甲に鈍的な外力を受け、皮下組織に損傷がある状態のことです。打撲すると痛みや腫れが見られ、時に内出血が生じ皮膚が紫色に変色したりすることもあります。内出血が強いと、周りの神経や血管を圧迫して、麻痺や血流障害を来たすことがあります。 痛みがひどくなる一方だと、単なる打撲ではない可能性があります。たかが打撲と思わずに専門医の受診をお勧めします。
<足甲の打撲が起こるケース>
・スポーツ活動中に相手選手にキックされた
・転倒により足を強打した
・スノーボード中の転倒
<足甲の打撲症状>
・内出血
・痛み
・腫れ
・患部が1日から数日して暗紫色となる
<当院での治療>
・安静
・挙上
・アイシング
・サポーターや包帯で圧迫
外反母趾とは、足の変形のことで、母趾ぼし(足の親指)の付け根の関節が第二趾のほうに「くの字」に曲がったものをいいます。 母趾の関節は通常、外側の第二趾のほうに沿って曲がっていますが、この角度が20度以上のものを外反母趾とすることが一般的です。母趾の付け根の関節は足の内側に大きく突き出し、靴との摩擦で強い痛みを生じるため、歩行障害の原因ともなりえます。また、重症の場合には、母趾の付け根の関節が脱臼することもあり、手術が必要になることもまれではありません。 中年以降の女性に多く発症しますが、最近ではハイヒールが原因の外反母趾が20~30代女性に多くみられています。外反母趾の原因には、生まれながらの解剖学的な特徴である遺伝的な要因と、生活習慣が大きく関わる非遺伝的な要因があります。
<外反母趾が起こるケース>
遺伝的要因
・母趾関節の不安定性
・足趾の長さ
・関節が緩みやすい
・扁平足・開張足による靴の締め付け
非遺伝的要因
・肥満による過剰な体重負荷
・筋力の低下などで足のアーチ構造が崩れる
・ハイヒールや足先の細い靴を履く
・関節リウマチの症状のひとつである関節の変形
<外反母趾の症状>
・靴との摩擦で突出部分に炎症や潰瘍が生じる
・腫れや発赤を生じる
・歩行時に痛みを感じる
・しびれや神経痛
・足の裏にタコができる
<当院での治療>
・外反母趾を矯正するための装具
・脚のアーチ構造を守るための足底板
・足のアーチ構造を正常にするための運動
・ストレッチ
扁平足とは、足のアーチ構造にゆがみが生じて土踏まずがなくなった状態を指します。足のアーチは、二足歩行をする際に足への衝撃を吸収したり、アキレス腱に加わる力をつま先に効率よく伝えたりする働きがあります。 土踏まずの形成に最も関わるのは内側縦アーチで、内側のくるぶしの下を通っている後脛骨筋腱が足全体を吊り上げることで形成され、立位時に接地せず吊り上げられた状態の土踏まずができます。 土踏まずは歩行前の乳幼児にはありませんが、歩行を重ねるごとに足のアーチ構造が鍛えられ、徐々に形成されます。小児は足の脂肪組織が厚いため、土踏まずは目立ちにくいですが、学童期になるとはっきりわかるようになります。 幼児期に生じる扁平足を幼児期扁平足といい、成人に生じる扁平足を成人期扁平足といいます。幼児期扁平足は成長と共に改善することが多く、問題となることはほとんどありません。しかし、成人期扁平足はさまざまな症状を引き起こすことがあり、重症な場合には手術が必要になることもあります。発症時期によって原因は異なります。
<扁平足痛が起こるケース>
●幼児期扁平足
・靭帯が緩むことで足のアーチが十分に形成されないが、歩行を重ねるごとに靭帯の弛緩性も解消し、自然と治ることが多い。
・先天性足根骨癒合症やマルファン症候群、外傷、神経障害などが原因の場合は成長しても治らないことが多いという特徴がある
●成人期扁平足
・足のアーチを作る靭帯や腱が加齢による変性
・長時間の立位・歩行による損傷
・無理な運動による損害
・後脛骨筋腱が加齢性変化
・体重負荷によって断裂する後脛骨筋腱機能不全
・肥満体型による負荷
・筋力低下や腱、靭帯の脆弱化
・スポーツによる負担
・足首の捻挫で関節が硬くなる
<扁平足痛の症状>
●幼児期扁平足
・幼児期扁平足の大半は特に症状がない
・成長と共に改善
<先天性足根骨癒合症で成長に伴って改善しないタイプ>
・歩行開始の遅れ
・歩行の不安定
・姿勢の悪さ
●成人期扁平足
・足の裏や外側に痛みがある
・姿勢が悪くなって頭痛や腰痛などを引き起こす
・内側のくるぶしの下が腫れ、痛みが生じる
・症状が進行すると変形が進む
・つま先立ちがしにくい
・硬くなり歩行障害がでる
・足裏が平べったい
<当院での治療>
・足のアーチ機能を補助する足底板などの装具を装着
・足のアーチを鍛えるためのリハビリ
・減量指導
これらの保存的治療を行っても症状が改善しない場合や、先天的な原因で扁平足を発症している場合には、腱移行術や関節手術が行われることもあります。
足の甲の骨、第1から第5まである中足骨のうち、第5中足骨の基部の骨折をいいます。足首の捻挫で骨折することがありますが、スポーツなどによってオーバーユース(酷使)する事で疲労骨折を起こすことがあり、ジョーンズ骨折とも呼ばれます。特にサッカー選手に多くみられます。 この骨折は、一度骨が治っても、スポーツ活動を再開すると再発しまう事が多いため難治性骨折で治りにくいと言われております。疲労骨折はダメージが蓄積する事によって生じるので完治しても疲労が蓄積する要因を取り除かずにスポーツ活動を再開してしまうと、同じ経過の繰り返しとなってしまいます。なお治療が遅くなると悪化して治るのが難しくなる可能性があり、再発を予防する事と、痛みがある場合は早期に専門医を受診しましょう。
<第五中足骨骨折が起こるケース>
・ジャンプスポーツ活動中
・マラソンや長距離競技
・筋力バランスや柔軟性低下
・ハードなトレーニング
・サッカー・フットサル
・合わない靴でのトレーニング
・軽い捻挫で発症
・片脚で踏ん張った時
<第五中足骨骨折の症状>
・受傷直後から足部の強い痛みと腫れ
・内出血
・足の外側、小趾側に痛みがある
・足を着いて歩けない
・スポーツ時の痛みが徐々に強くなる
<当院での治療>
・ギプス固定
・足部の痛み腫れを早く取るためマッサージ
・温熱療法
・歩行訓練、足関節指関節の機能回復訓練
骨折のズレがひどい場合は手術になることもあります。
「モートン」とは、モートン病を発見した、トーマス・G・モートンという人の名前から付けられた病名です。 モートン病とは、足の指3番目と4番目足趾の痛みを症状とする病気で、第三、四足趾への神経の障害が原因です。外傷を負っていないにもかかわらず足指の間に痛みやしびれを感じたらモートン病の可能性があります。特に中年女性に多く、加齢とともに足裏の筋力が低下し足裏にあるアーチがなくなってしまうのが原因です。つま先がきつい靴、ハイヒールを履くことで症状が強くなる傾向があります。悪化すると手術が必要になる可能性もあります。
<モートン病が起こるケース>
・横幅が窮屈な靴を履いている
・ハイヒールなど足先を圧迫する靴を使用
・開張足・偏平足などの横アーチの低下
・中腰の姿勢で長時間作業をしている
・立ち仕事をしている
<モートン病の症状>
・足先の痛み
・けいれん
・麻痺
・熱感
・足指の3番目と4番目にピリピリと痛みが生じる
・足が疲れるとしびれる
・安静すると痺れが軽くなる
・歩行障害
・つま先立ちの状態に足に鋭い痛みがある
<当院での治療>
・安静
・インソール
・運動療法
・ストレッチ